弥生美術館「命短し恋せよ乙女展」と心中願望

現在、弥生美術館にて開催中の「命短し恋せよ乙女展〜マツオヒロミ×大正恋愛事件簿〜」に行ってきました。

f:id:akiyoshiyaeko:20170923232053j:image

(残念ながらこの展覧会、明日9月24日(日)までとなっております。興味のある方は明日が最後のチャンス。)

 

展覧会については偶然、新聞で知りました。金曜日の朝のこと。

 

今週の土日はめずらしく夫の仕事、お休みです。いつもなら見たい展覧会などは一緒に行こうと誘うのですが、なにしろ今回は大正時代の恋愛事件、おもに心中などを取り扱っています。「やえこ、心中したいのかい?」などと訊かれては困りますので、ここは慌ててその日のうちにひとりで行くことに。

 

どういうわけか昔から、こういったものに心惹かれていたのでございます。心中、道行き、情死…。近松、太宰etc...

 

思い起こせば、小学生の頃の漫画雑誌に、何故かシェークスピアの「ロミオとジュリエット」を漫画化したものが載っていて、それを読んだのが最初と思われます。私の好きな物語といえば、「ロミオとジュリエット」「人魚姫」「ナルキッソスとエコー」など、思いを遂げられぬ悲劇ばかり。

 

"Only unfulfilled love can be romantic."

成就しない恋だけがロマンティックである。

by ウディ・アレン

なのでございます。

 

愛する人と一緒に死ぬこと。この世で一緒になれないのなら、いっそふたりであの世へと。

 

まあ、ひとりぼっちで死ぬのが漠然と怖かっただけかもしれませぬが。

 

さて、展示では様々な恋愛事件が取り扱われています。平塚らいてう森田草平の心中未遂事件。島崎藤村とこま子。松井須磨子後追い自殺有島武郎と波多野秋子。

 

f:id:akiyoshiyaeko:20170923233707j:image

マツオヒロミ氏による竹久夢二とお葉(部分)

どのイラストも私好みでありました。

 

 

いやあ、わくわくしますね(おいおい)。

 

個人的にはらいてうについての記述がおもしろかったです。平塚らいてうといえば「元始、女性は太陽であった」などの言葉も残した元祖・ばりばりのフェミニスト!という印象だったのですが、実は、今でいうところのコミュ症で、大きな声を出すのが苦手だったとか。

実際話すのは不得意なくせに、ものを書く時には大胆になるひと。なんだか共感できます(私のこと)?

 

ひとを好きになるのは、基本的には素敵なことなはず。それがひとたび道ならぬ恋、となると、世間はここぞとばかりに非難する。それは大正の世も現代も変わらないようです(最近のワイドショーでも不倫をせっせとたたいてますね)。

自分とはなんら関係がないのに。普段から抑圧された人間は、自分にはできないことを実践している奔放な人間が、殊更に許せないのでありましょう。

 

 

さてさて。情死に憧れていた私でありますが、今もこうしてこの世に存在しております。何故か。

 

私めも人生に疲れ、時にこの世をはかなむこともございます。しかし、もし夫に死にたいなどと言ったら、

「お腹空いてるんじゃない?最近よく眠れてる?」

「まあまあ、今日のところは寝ちゃいなよ」

などと適当に言って、私を脇に挟んで自分はさっさと寝てしまうことでしょう(すごく寝つきの良いひとですし)。

とても心中に付き合ってくれるとは思えませぬ。

 

そんなわけで、至極平凡な私は今日ものほほんと、夫とともにつつがなく生きているわけでございます。

 

所詮、人間生まれる時も死ぬ時も、ひとりきり。ならばせめて最期には、愛するひとの腕の中で死ねたらなあなどと、夫の脇に挟まりながら思うのでありました。

 

f:id:akiyoshiyaeko:20170923233731j:image

 

弥生美術館・竹久夢二美術館